【失敗から学ぶために】論語の格言を集めました!
失敗は誰にでもあること。
誰にでもあることだからこそ、「失敗をどのように捉えるか」が重要だと思います。
この記事では、今まで多くの人に影響を与えてきた古典『論語』から、失敗に関する格言を紹介します。
失敗から学ぶ格言集
失敗を改めないことが、なによりの失敗だ
子曰わく、
「過まって改めざる、是れを過まちと謂う」
(しいわく、「あやまってあらためざる、これをあやまちという」)
訳:先生がいわれた。「過ちをしても改めない、これを本当の過ちという」
失敗をしてしまうこともある。
しかし、それを改めて次に生かさないことが、本当の失敗といえる。
という風にも読み替えられるのではないでしょうか。
失敗をしないためには
子曰わく、
「約を以って之れを失する者は、鮮し」
(しいわく、「やくをもってこれをしっするものは、すくなし」)
訳:先生がいわれた。「心をひきしめていて失敗する人は、ほとんどいない」
油断は失敗のもと。
失敗してしまった時は、自分に油断がなかったかを見つめなおしてみるといいかもしれません。
人は失敗の種類でわかる
子曰わく、
「人の過ちや、各おの其の党に於いてす。過ちを観て、斯に仁を知る」
(しいわく、「ひとのあやまちや、おのおのそのたぐいにおいてす。あやまちをみてここにじんをしる)
訳:先生がいわれた。「人の過ちは、人物の種類によって異なる。過ちの種類を見れば、その人に仁があるかないかは、わかる」
「仁」とは一切のものに対して思いやりのある心を言います。
それがあるかないかは、失敗の種類でわかる、という言葉です。
今まで自分がしてきた失敗を分析してみると良いかも知れません。
失敗は認め、反省しよう
子曰わく、
「已んぬるかな。吾れ未まだ能く其の過ちを見て、而も内に自ずから訟むる者を見ざる也」
(しいわく、「やんぬるかな。われいまだよくそのあやまちをみて、しかもうちにみずからせむるものをみざるや」)
訳:先生がいわれた。「ああ、もうおしまいだなあ。自分の過ちを認めて心の中で自分を責める人を、私は見たことがない」
孔子は、自分の過ちを認めて責任を感じる人がいないことを嘆いているのです。
自分の過ちを認め、責任を感じることができる立派な人は昔からそんなに多くなかったのでしょう。
忠告者がいることは幸せなこと
「丘や幸なり。苟しくも過ち有れば、人必ず之れを知る」
(「きゅうやさいわいなり。いやしくもあやまちあれば、ひとかならずこれをしる」)
訳:「私はしあわせ者だ。もし過ちがあれば、誰かがきっと気づいて教えてくれる」
孔子様だって失敗してしまうことがあります。
この一節は、孔子が知識不足のために人物評価を誤ってしまったとき、孔子の弟子づてで過ちを指摘されたあとの場面です。
間違いを指摘されたとき、「気づいて教えてくれる人がいて幸せ」と感じる人物の大きさは、見習いたいものです。
君子と小人の違いその1
子曰わく、
「君子は諸れを己に求め、小人は諸れを人に求む」
(しいわく、「くんしはこれをおのれにもとめ、しょうじんはこれをひとにもとむ」)
訳:先生がいわれた。「君子は事の責任・原因を自分に求めるが、小人は他人に求め、責任を転嫁する」
責任転嫁は見苦しい。
自分の胸に手を当てましょう、というお言葉。
君子と小人の違いその2
子夏曰わく、
「小人の過まちや、必ず文る」
(しかいわく、「しょうじんのあやまちや、かならずかざる」)
訳:子夏がいった。「小人が過ちをすると、必ずとりつくろってごまかそうとする」
こちらは孔子のお弟子さん、子夏の言葉です。
一方君子はというと、、、
子貢曰わく、
「君子の過まちや、日月の食の如し。過まつや、人皆な之れを見る。更むるや、人皆之れを仰ぐ」
(しこういわく、「くんしのあやまちや、じつげつのしょくのごとし。あやまつや、ひとみなこれをみる。あらたむるや、ひとみなこれをあおぐ」)
訳:子貢がいった。「君子の過ちは、日食や月食に似ている。君子は自分の過ちをごまかしたりしないので、日食・月食のようにだれの目にもはっきり見える。すぐに欠けたところが改められるところも似ている。再び輝きを取り戻した姿を人々は仰ぎ見て尊敬をする」
君子は過ちを犯してもごまかさないので、みんなに丸わかりだと言うのです。
しかし、君子はすぐにそれを改めるのでみんなに尊敬される、というわけです。
子貢は孔子のお弟子さんです。
君子の過ちを日食とか月食に例えるとは、さすがは孔子の弟子、素晴らしい感性をしていて感動します。
終わりに
引用でいっぱいになってしまいましたが、論語の言葉のすべてに目を通して、必要な言葉だけを引用するのは骨の折れる作業でした。
『論語』は現代の私たちにも大変役に立つ古典です。
是非参考になさってください。
最後に、引用元とさせて頂いた齋藤孝さんの訳本を紹介させて頂きます。