「自分はダメ人間だ...」という自己嫌悪を解決する「奇跡の質問」
問題や失敗は日々を生活するなかで必ず生まれてきます。その内容は様々で、人間関係の悪化、家族関係の不和、自分の能力に対する疑念、仕事でのミス、などたくさん上げることができると思います。
それらが積りに積もって、「自分はもうダメだ......」「自分ってどうしようもない人間だな......」といった自己嫌悪に陥ってしまうことも時にはあるでしょう。
そういった自己嫌悪に陥ると、その渦の中でもがき苦しみ、なかなか抜け出せなくなってしまいますよね。何か解決策を見出さなければいけない! と思っていても、自己嫌悪感が強すぎて、何をやってもダメなように感じてしまいます。
しかし、こういった自己嫌悪を5分で簡単に軽減し有効な解決手段を導き出す奇跡の思考法があります。この思考法を簡単に紹介したいと思います。
ミラクルクエスチョン
「ミラクルクエスチョン」とは、この記事の題になっている「奇跡の質問」のことです。この「ミラクルクエスチョン」を上手く使うことで自己嫌悪をうまくコントロールすることができます。
このミラクルクエスチョン、カウンセリングやコーチングの現場にも広く使われている技法です。それだけ、効果が期待できる方法なのです。文字通り「ミラクル」が起こることも少なくありません。一応断っておくと、そういった現場では2人でやり取りをするのが基本です。しかし、自分の中で自問自答することもできます。
では、「ミラクルクエスチョン」とはどういったものなのでしょうか。とりあえずは2人でやりとりする場合を見てみましょう。
「ミラクルクエスチョン」とは「ミラクルが起こった」と仮定させることから始まります。ある日突然「ミラクル」が起こって、自分が抱えている問題がすべて解決したと仮定させるのです。そして、理想がすべて実現した時に、何が起きるかを答えるものとなっています。
例えばお酒に溺れてしまい、分かってはいるけどやめられない人に対して、
「少し想像してみて下さい。今日寝る前にあなたはもうお酒を飲まないと決心します。そして、今夜は良く寝ます。すると寝ている間にミラクルが起きて、問題がすべて解決したとしましょう。そして、朝になってあなたは起き上がります。ミラクルが起きたことは誰も知りません。もちろん、あなたを含めて。そこで、あなたはミラクルが起きたことをどうやって知るでしょう。どんな兆候があらわれるとおもいますか?」
そうしたら、その人はこう答えるかもしれません。
「朝はすごくすっきりした気分だと思う。枕元にお酒があっても別に飲もうとは思わないはず。気分を紛らわす必要もないし、お酒は棚にしまっちゃうんじゃないかな(笑)」
そしたらさらに掘り下げます。
「そのほかにどんな兆候があるでしょうか?」「他にはどんなことからミラクルが起こったことに気づくでしょうか?」
「昼間も夜も、お酒のことじゃなくて昼ごはんとか夜ご飯のこととかを考えている、とか?」
このようなやり取りを何回も繰り返すのです。
人間関係の問題などにも応用できる!
先ほどはお酒に溺れてしまった人の例でしたが、人間関係に起因する問題の解決策を探ることもできます。確かに、人間関係は自分だけの問題ではありません。相手を変えることは難しいことです。しかし、人間関係の悪化には少なからず自分の中の拭い去れない精神的障害が原因になっている場合も多い。ですから、それを克服することが解決への一歩であることは間違いないでしょう。
というか、むしろ人間関係による自己嫌悪の原因は、自分の中の精神的障害です。相手との関係が悪化してしまい仲直りした方が良いのだけれど、やっぱり自分にも恐怖とか意地があって切り出せない。そんな自分はダメなんじゃないか、といったものが良い例でしょう。
ミラクルクエスチョンはここでも有効になっているのです。
「もし、今夜寝ているうちにあなたの気持ちが完全に解決したとします。そして、朝起きたとき、あなたを含めて誰もその変化に気づいていません。あなたはミラクルが起きたことにいつ気がつくでしょう。それはどのような出来事だと考えられますか? また、どんな兆候が表れると思いますか?」
といった質問を組み立てるのが良いと思います。
質問に対する答えから、目標のイメージがハッキリする
「ミラクルクエスチョン」のもつ最も素晴らしい効果は「現実の縛りを解くことで、不可能だと思いこんでいた理想や目標をハッキリとイメージすることができる」ことです。
「理想や目標」をハッキリとイメージすることができれば、今の自分はとりあえず何をするべきか、といった行動指針を考えられるようになります。そのイメージは目標を達成するための有効なヒントになるのです。
ミラクルクエスチョンを用いた自問自答を積極的に活用しよう!
本来はプロのカウンセラーとの対話が最も効果があるのですが、なかなか時間が取れなかったり、そもそもカウンセリングに行くことに抵抗があるかもしれません。(本当は行った方がいいけど)
かといって、友達に「ミラクルクエスチョン使って!」と要求するのも少し違う。
しかし、こういた手法のいいところは、自分の中で自問自答できることです。時間はほとんどかかりません。むしろ、グダグダ悩み続ける時間のほうが圧倒的に長い。それをやって損することはまずないといっても良いと思います。
また、少し時間を取られますが、紙に書いてみる、というのも効果があります。自分でいろいろ工夫するのも良いと思います。
おわりに
「ミラクルクエスチョン」を知っているだけで、心のコントロールが劇的に上手になると思います。私たちは風邪をひかないようにする方法は良く知っています。ですが、心の風邪をひかないようにする方法も同じくらい大事です。「ミラクルクエスチョン」はその技術のほんの一握りではありますが、千金の価値があります。是非実践してみて下さい。