課題図書はいつもつまらない
『〇〇〇』という本を読み、2000字以上でレポートを書きなさい。
(期限は6月12日までとする)
本日は6月11日なり。
明日までにブックレポート?
え? 本読んですらいないのだが??
はい、オワタ―www
現在このような状況に直面している。
「最近の大学生は本を読まなすぎる。せめてレポートを書くときくらいは本を読んでほしい、という願いからブックレポートという形にしました」
レポート課題を出す際、教員が放った言葉だ。
森見は激怒した。
必ず、かの邪知暴虐の教員を除かねばならぬと決意した。
森見は本を読む。森見は大学生である。
本を読み、友と酒を飲んで暮らしてきた。
けれども、強制読書に対しては、人一倍敏感であった。
本日深夜、森見は課題図書を読みだし、表紙をめくり目次をめくり、「はじめに」を読み終わった。
森見は言った「呆れた本だ、読むにたえぬ。」
森見はともにLINEを飛ばし、教員は何を考えているのか、このようなつまらない本を読ませて何が嬉しいのか、と質問した。
友は意味不明なスタンプを送ってくるだけで、答えなかった。
しばらく読み進めたが、我慢しきれず老爺にLINEし、今度はもっと語勢を強くして質問した。
先輩は既読無視した。
森見は追求のスタンプを連打し、質問を重ねた。ついに先輩が漏らした。
「その教員は、学生に単位を与えない」
「なぜ単位を与えないのだ」
「本を通読していない、というのだが、みんな通読してからレポートを書いている」
「たくさんの学生を留年させたのか」
「そうだ。はじめに授業を取っていたご自身のお弟子様を、それから、その彼女を、それから、そのお友達を...」
「驚いた。教員は乱心か」
「いや、乱心ではない。学生を、信じることができぬ、というのだ。」
これを見て、森見は激怒した「呆れた教員だ、生かしておけぬ」
発想も尽き、だんだん息苦しくなってきました。
太宰治のような文章は到底書けません。あきらめました。
太宰の『走れメロス』を取ってみても、読んでいてすごくテンポが良いです。
言葉ひとつひとつの選択が生き生きしていて奇跡的だと世の評論家は口をそろえて絶賛するわけですが、そんな細かいことが分からない僕にとっても、これを読んでいるときの何とも言えないテンポの良さを感じます。
初めて読んだのは僕が小学生の時で教科書に載っていました。
その時はすさまじく退屈な小説に感じたのですが、おそらくこの理由は「教科書に載っていたから」ということに違いなかったでしょう。
小学生の時に読んだ別の太宰の作品は、とても面白く感じましたから。
人から強制されると、文章って途端につまらなくなると思いませんか?
そんな経験、皆さんにはありませんか?
共感してくれる仲間が世界には絶対いる、という確信で書いたんですが、いかがでしょうか...
・・・
課題図書が全然進んでいないというのに、書き始めて1時間が経ちます。
もし何年後かにその本を自分で手に取っていたら、面白く感じるはずです。
今のところ本当につまらない。
いや、まだ分かりませんね。読み進めると面白くなるかもしれないですし。
もし面白かったら、このブログで紹介いたします。
さて、本日は徹夜です。邪知暴虐の教員よ...
2017/6/11 森見ますお